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「......朱良、今日この後2人でお茶でもどうでしょう?シェ.ロエベのカフェはいつも人気の場所だから事前に予約を入れておいたんです。」
眼鏡を掛け前分けの黒髪をかきあげた神影秋人が、風紀委員室の椅子に座る私の肩に触れて囁いた。
背後から耳元で眼鏡と敬語口調のイケメンに囁かれて靡かない女はいないだろう。
でもこの私、一門朱良は残念なことに男として今を生きている。
それにBLは見ているからこそいい、いや見ているだけがいいのだ。
「おい朱良~!!まだ風紀の仕事片付かねーのかよ??帰ったら一緒にスマブラしよーぜ?」
風紀委員室のドアもノックせず入って来たのは赤い短髪の男、皆藤琉生だ。
横には二本の剃り込みをキめており、リング状のピアスが片耳に4つもついている。
「....なんだ貴様ノックもせずに。そもそも不良風情がここに来ること自体おかしいでしょう。」
「はあ?眼鏡は黙っとけよ!!その二重人格、動画配信して公開処刑してやんぞ?!!」
秋人は確かに二重人格かもしれないが本性が一体どれなのかは私もよく知らない。
彼は今の私には優しく接してくれるが、最初出会った時は寄せ付けないオーラで私のことも"貴様"と呼んでいた。
それに比べ琉生は裏表なくそのまま一直線にドアもノックせずに向かってくる。
琉生とはゲーム友達というのは今の在り方で、出会った頃は喧嘩友達だった。
喧嘩ってのは口喧嘩じゃなく拳と拳の喧嘩のこと。
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