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今日は私に勉強で分からないところがあるから教えて欲しいとのことだったが、はっきり言って、特待生で入学してきた心陽君が私に教わることなんて何もないはず。
自習室で並んで座り、適当に教科書を取り出す心陽君。私に色々聞いてはくるが、絶対に分かってるだろうなって問題ばかりだった。
「じゃあ次、教えて欲しいんですけど、朱南先輩の身長と体重が分からないので聞きたいですー♪」
「え?.....そんな人の規格なんて聞いてどうするの?」
「分からないところだから聞いてるだけですよ~。」
「.........」
蓮見先輩が"一番危険"だと言ったのはこれだ。なんというか、心陽君は"女慣れ"をしているのだ。
純粋無垢な性格の子は時として、それってわざとやってない?かわいこぶりっ子してない?と第3者に思われがちだ。
漫画の中の心陽はまさにそんな感じだった。
それなのに今私が見ている心陽君は、ただのマセガキ。きっとここが共学だったら心陽君が一番女子にモテていることだろう。
「あ、そうだ、僕と背比べしましょう。ちょっと立ってみて下さい!」
「いやいや、それよりも勉強しよう?」
「僕自分が背低いから気になるんですよー。
ね?ちょっとぐらいいいでしょ?」
「168㎝だよ私。」
「僕最近計ってないし、今の僕が朱南先輩より高いかどうか知りたいだけなんで、とにかく立って下さい!」
半ば強引に立たされ、背中合わせで計るのだと思い、私は心陽君に背中を向けた。
すると「あっ」と声を出す間もなく、私は心陽君に後ろから腕ごとホールドされ、足が宙に浮くぐらい持ち上げられてしまったのだ。
「ちょっ、ちょっと!こ、心陽くんっ?!!」
「あ、やっぱり朱南先輩かるーい!」
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