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そう一言、アパートの玄関先で顔も見ずに言えば。
「……ちょっともっかい言って。」
聞き取れているはずのその男が、私に二度目を要求する。
「六神と、セックスしにきた。」
三度目だろうが四度目だろうが、きっと恥ずかしいなんて感情は生まれない。
ただこれで最後だと思えば、人間大胆不敵に振る舞えるものだということを知った日。
「いいの。泣いてもやめないけど。」
疑問形にも成さない言葉に小さく頷けば、あっという間に腕を引かれて、部屋の中へと吸い込まれた。
薄暗い玄関で、壁にぬわれるよりも先に奪われる唇。
とても待てないと、余裕なんてものはプライドと共に捨て去られ。
無我夢中に齧りつくようなキスで、息する暇もなく責め立てられていく。
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