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「あんことバターは別々がいいな、あたし。」
コンビニで見つけた新作ベーカリーを前にそうつぶやいた私。
後ろから私の肩につくかつかないかくらいのブラウンヘアを横切って、ずいっと身を乗り出すヤツが言った。
「それな、俺もさんせー。」
その“あんバターブリオッシュ”を覗き込む横顔ったら。ヒゲあととか、あとヒゲあととか見えないくらい、うちゅくちぃ肌をしていて。
その素肌の温度に、あやうくくらりと感染しそうになるも。
「……めずらしく意見あったじゃん。」
「めずらしくもな。それとブリオッシュまで持ち出されたら、もはや何パンかわかんねーっての。」
「それな。あんパンとバターロールとブリオッシュと、彼らをいっしょくたにする真意。」
「新商品開発するよりも、いっそミックスしてけって簡単に片付ける真意な。」
「でも私、カレーラーメンは好きなんだよね。」
「そこは断然カレーうどんだろ、カレーうどん。」
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