第四章*笑顔

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「Rain…って、フッ。」 Rain、 韓国の男性アイドルグループ5人組で 歌やダンスだけではなく、 5人全員が多才で…魅力的らしい。 また、日本語が上手らしい。 熱弁しているのを真横で聞かされた。 「嫉妬してるんだ?」 「は?」 と…自覚はないが怒るらしいので、 連れて行かないと言われた。 そいつらが、どんなやつが… 俺には知る権利がある。 来日することぐらい、俺が知らないとでもお思っていたのか? 「フッ。」 俺の横に座っていた優一が、俺の携帯を覗き込んだ鼻で笑っていた。 「なに?いつから、先生…韓国語読めるようになったわけ?」 携帯に映し出されていたのは、 そいつらのホームページで、 スケジュールやら色々と韓国語で書かれていた。 「あ?勝手に人の携帯覗くなよ。」 いつからなんて、それは… なおが、興味ありそうだったから 覚えていたら役に立てるだろうって思って。 「アオイ、先生…可愛いな。」 「あ、優一。」 彼は俺の静止も聞かず、すぐさま彼女に耳打ちしていた。 「え?ほんとに?」 鏡越しに、目が合うと… 彼女の笑顔は、その場にいたみんなを笑顔に変えていた。 俺も…その一人だった。 「けど、俺はついていかないほうがいいんだろう?」 どういう返事を期待して、俺はそんな事を口にしたのか… 多少嫉妬からだと、自覚はあったが、 言わずにはいられなかった。 「先生いたほうが、メンバー助かるかもね。うん。」 結局…俺は通訳。 それ以上でも、それ以下でもない。 それは、 俺がなおの為に望んだことだったが。
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