7人が本棚に入れています
本棚に追加
「海人さん!」
彼女は俺の脱げたスリッパを持ち、俺に抱きついた。
「どうした?来る途中なにかあったのか?怪我でもしたのか?どこか痛むのか?どこだ?熱があるのに…登校したのか?」
俺はしきりに、彼女の様子を確認した。
「フッ。」
「うん?泣いてたんじゃないのか?笑ってるのか?…痛いとこないんだな?」
「はい。」
「じゃ~、遊びにでも行くか?」
そう言った自分が一番驚いていた。
「…遊園地でもって思ったけど、ごめん。」
結局、
どこ行っても…人の目が気になり、
ましてや俺といるところを
撮られでもしたら?
なんて、考えたら…。
俺の自宅マンション入り口に立っていた。
「映画はあえて、なんだっけ?テレビじゃないので見てるって言ってたじゃない?観たい!」
無邪気にあえて笑って見せる彼女に、救われたものだった。
最初のコメントを投稿しよう!