第二話

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 月曜のクリスマスは当然出社。新規契約書との睨み合いと会議で一日が終わった。  そして仕事終わりの二十七日。  部の忘年会の後に成増さんとひっそり打ち上げやり直し。 「最近浮かれてるな」 「誰がです」 「彼女できただろ。覇気がある。顔色が前よりいい」  俺は成増さんの指摘をサラリと受け流した。  早く帰らなくていいのか、新婚。  さて、年末年始は坂巻の家にいつもより長くいた。坂巻は俺を残して時々買い物の為に外に出た。  俺は『仕事』をしていた。  大晦日の夜は二人で近所の神社に行った。行く前に、坂巻はピンクの頭を取ってニット帽を被り直してマスクをした。その行動に俺は唖然としたが、変装の理由は聞かなかった。  神社は混んでいて、坂巻ははぐれないよう俺の服を掴んでいた。参道の急な階段を登るときは俺の方から彼の服の袖を掴んだ。  賽銭の前に行ってから無になった。  言いたいことは特に無かった。  その後は境内で甘酒を飲んで、除夜の鐘を聞きなからマンションに戻ってきた。 「初めて行った」 「初めて?」 「面白かった。テレビで見た通りだった。あんなに混んでるとは思わなかったよ」 「………」 「で、どれだけ金を投げ入れれば、どれだけ祈れば願いが叶うんだ? 実際は難しいだろ?」 「……知らん」    坂巻には浮世離れしたところがあった。  
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