鍵はその手に

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 私は鍵を握りしめた。  世界を変える扉は目の前にある。  あとは鍵を開けて、その扉をくぐるだけでいい。そこには私が願った世界がある。  鍵は鍵であって、鍵でしかない。  鍵男はその意味を聞いた。  そうだ、鍵は鍵でしかない。  世界を変える扉を前にして、その意味が分かった気がした。  扉を開けて、世界を変える。  それができるのは自分だ。  鍵じゃない。  鍵男は、きっとそう言いたかったのだろう。  そして、私は鍵を握りしめたまま、扉を開けられずにいた。
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