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「起きた?」 「すみません、私、眠ってしまって……。あ、これ追加資料出来たので確認お願いします」 「ん、ありがとう。中村のおかげで、午前様しなくてすんだよ」 優しくニコッと 微笑みながらそう言った八代さん。 いつもなら お礼を言う時ですら 捻くれた言い方しかできなくて こんなにふうに素直にお礼を言ったりしないのに 驚くくらいに素直すぎる八代さんの態度と 笑顔に不覚にも胸の奥がきゅんと甘くときめいてしまった。 「で、話ってなに?」 「え?」 「帰り間際に俺に声をかけて来た時、話あるって顔に書いてあったし、何か俺に話したいことがあったんじゃないのか?」 「う、嘘っ!?顔に出てましたか!?」 そう言われ 慌てて顔を手で隠した。 そんなに私 わかりやすく顔に出てたんだ…… 「ハハハっ、今更、顔隠したって遅いだろ」 「そ、そうでした……」 「クスッ。本当、葉月って面白いよな。」 「い、今、葉月って……」 .
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