母の日記帳

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「お父さん……ごめんなさい」 「私が……私が悪いの」 「私があの時出掛けなければ……」  千夏の父誠一郎はで仕事先で訃報を聞き、急いで横浜に戻っていた。  誠一郎は妻を亡くした悲しみを抑え、娘を抱きしめ慰めていた。 「千夏は悪くない」 「手術を受けないと決めたのは母さん」 「医者に止められていたのに酒を飲んだのも……脱衣所に暖房をつけなかったのも母さんだ」  千夏は父の暖かい胸の中。  母の秘密を知ってしまった、半年前の事を思い出していた。
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