2 カフェ*ローズ

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「何も用意出来なかったんですが、昨日、酔ってしまったとは言え、ご迷惑をおかけして、すみませんでした」  お詫びを買えなかった分、一生懸命に頭を下げた。  シーン、と一瞬の沈黙。頭を上げるタイミングがつかめない。 「……ドンピシャかも」 「えっ?」 「イヤ、……こっちのハナシ、それを言うために、わざわさ?」 「あっ、……はい、謝りに来ました」  顔を上げると、卯月さんは顔をほころばせて優しく笑っていた。今までのと違う、きちんとしていない笑顔。 「……」  ドキッ  何故だろう? こっちの方が、十倍素敵だと思った。 「気に入っちゃった♪」 「……へ?」 「自分が原因じゃないのに、迷惑かけたって、謝りにくる子、珍しいよね?」  そう、なのかな? 「こちらこそ、ウチの後輩がお酒飲ませちゃってゴメンね」  そう言って卯月さんは、わたしの頭をサラッと軽くなでる。  えぇっと……。
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