3 薔薇色*デート

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 えっ? 「お互いに、ないモノを持っていて、羨ましいのが」  あっ……。 「そう、ですね……」  卯月さんのやわらかい笑顔につられて、自然に顔がほころぶ。  不思議だ。  いつもこのテの会話になるとイヤな気持ちが残るのに。  何でだろう?  今は、胸の奥が暖かい……。 「あそこだよ、あかりちゃん!」  白い壁にオリーブ色の屋根の洋風二階建ての小さなお店。 「可愛い〜!」 「でしょ? カフェみたいだなって入ったら、スープカレー屋さんだったの」  確かに、パッと見でカレー屋さんには、見えない。 「本当に見えませんね」  こういうお店は、初めてだ……。  さすが大学生、オシャレなお店、知ってるなぁ。よかったら、芹香達と行こう。  わたしは、卯月さんについて行って白い洋館のスープカレー屋さんに入った。
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