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ひゃっ……!
どうしよう、この人起きちゃう。
わたしは、慌ててベッドの隅へ後ずさる。怖いから間に何かと、抱き枕の黒ウサギを抱きしめてみた。
「……ん~?」
ボンヤリとしていた彼女の瞳が、ゆっくりとわたしを捕らえる。
「……おはよう」
枕に頬をつけたまま、息を飲む笑顔で、その人は挨拶をしてくれた。寝起きだからか、少しかすれていたけれど、落ち着いた大人っぽい声……。
ゆっくりと起き上がって、肩よりも前に流れて落ちるサラサラのストレートヘアを、手で後ろにはらう。
ごくっ……。
その仕草が……。
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