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「北白川の第二令嬢が家にいたのは確認できているな」
「結葵様のご家族は、特に厳重に警備するように手配済みです」
それは契約内容に含まれていたものなのか、悠真様が一方的に配慮したことなのかは分からない。
でも、私が嫁ぐことで、私の家族は手厚い警護を受けることができたという事実を知らされる。
「でも、部屋の中で何をしていたかまでは把握できていないのは事実」
心臓が激しく動き出したような気がする。
心臓が壊れてしまうんじゃないかと錯覚させるほど、心臓が激しい運動を繰り返す。
「だったら……」
「やはり辿り着くのは、その結論ですよね」
悠真様が言葉にしなくても、分かってる。
悠真様が、このあと何を言葉にしたいかということが想像できてしまう。
「北白川美怜が、なんらかしらの目的を持って蝶を中へと招き入れたってことになるな」
残酷な言葉を告げられた。
悠真様は言葉を優しく包んでくれているけれど、それは美怜ちゃんの記憶が失われてしまったのは自業自得で起きてしまったということを示している。
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