第34話 弟子の言い分ー大和の場合

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第34話 弟子の言い分ー大和の場合

 まさか「弟子②」が、隣の席の女子・青木だったとは思いもしなかった。  「あおき」といえば、俺とレンさんが初めて出会った時の植物・アオキ様と同じ名前。だから勝手に親近感を抱いていたのだが…… 「青木、お前植物好きなの?」 「別に、全然。この植物オタクさんと一緒にしないで」  ぶっきらぼうに言い捨てる青木。  普段のキャピキャピした青木はどこに行った。サラサをくれた優しい青木はどこに行った。 「じゃあなんでレンさんに弟子入りしてんの?」 「私こんな人に弟子入りなんてしてないけど」 「でもレンさんのケータイに、『弟子②』って」   「私ね、青木さんを高く評価してるの。彼女の全く気配を感じさせないストーキング能力を育てれば、いつか日本国にとって大きな財産となる。だから我が弟子としました」 「なんだ。私がつけてたこと気づいてたんですか?」 「うっすらね。最近、外に出ると視線を感じる気がして。でも……振り返っても誰もいなくて……お祓いに行っても変わらないし……超怖かった……ストーカーでよかった本当によかった安心した」 「レンさんストーカーに安心しないで。つーか青木はなんでレンさんをストーカーしてんだよ。俺のことが好きなんじゃねーの?俺に媚薬盛ろうとしたんだろ?」 「自信満々のイケメン、ムカつく」 「俺がレンさんのこと好きなのも知ってた?」 「……」 「だからレンさんをつけてたのかよ」 「うるさいなぁ!人を尾行して観察するのが趣味なだけ!」  青木が声を荒げ、しれっとやべーことを暴露する。  こんなん安田が見たら泣くぞ。
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