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「……だそうです。こういう考えの男の人もいます。青木さん、参考になりましたか?」
「……先生、折れ……どんまい」
「青木ひどい!」
ミノムシが額を壁に打ち付ける。
「青木さん。確かに世の中には本能に忠実すぎる悪い男がいます。でもそういう男の、冷めたとか萎えるとか、そんな浅い言葉に惑わされちゃいけないよ。それは奴らの、卑怯な自分を正当化する言い訳にすぎないんだから。あなたを大切にしてくれる本当に深い繋がりができる人は、ちゃんと話し合ってくれるはずだから。そういう人を、賢いあなたは見つけられるはずだよ。
それにあなたはもう、私の弟子だから。あなたを傷つける人がいたら、師匠の私がちゃんとやっつけかたを教えてあげるから。
だから安心して、まっすぐ恋愛、してみたら」
「へぇ、心強い。じゃあ私が大和君に本気で告白してもいいんですね?」
「いいよ。どーぞ」
「レンさん?それは複雑なんすけど」
「だって大和くんは私のことが大好きでしょ?」
そう言ってイタズラそうに笑うレンさん。
この人……
時々とんでもなく、小悪魔なんだよな……
めちゃくちゃ抱きたい。
「……は〜冷めた冷めた。もう大和君はいいや。じゃあ師匠、また媚薬作ってくださいね」
「二回目からはお金取る」
「ケチ!」
「そういえば、皆早く戻った方がいいんじゃないですか?表彰式とかあるんじゃない?」
「あ!まずい!急げ急げ!レンさん、ロープ解いてくれますか?」
「はい!……どうぞ。先生、もう大丈夫ですか?エクスカリバー」
「あ……はい、だいぶ……」
「私より先に飲んでましたもんね。落ち着いてよかったです」
「なに。なんの話?まさかレンさんも……」
媚薬飲んだの?そう言いかけた時、レンさんに口を手でガッチリ塞がれた。
「真島先生、私、ちょっとだけ大和くんにお話があるので、すぐ行かせますので、青木さんと先に行っててくれますか?」
「わかりました。青木、行くぞ」
妙に晴れ晴れした顔の青木を真島が促して、倉庫の外へ出る。
2人の姿が見えなくなったその時、レンさんは俺をマットの上に押し倒した。
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