第34話 弟子の言い分ー大和の場合

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「……だそうです。こういう考えの男の人もいます。青木さん、参考になりましたか?」 「……先生、折れ……どんまい」 「青木ひどい!」  ミノムシが額を壁に打ち付ける。 「青木さん。確かに世の中には本能に忠実すぎる悪い男がいます。でもそういう男の、冷めたとか萎えるとか、そんな浅い言葉に惑わされちゃいけないよ。それは奴らの、卑怯な自分を正当化する言い訳にすぎないんだから。あなたを大切にしてくれる本当に深い繋がりができる人は、ちゃんと話し合ってくれるはずだから。そういう人を、賢いあなたは見つけられるはずだよ。  それにあなたはもう、私の弟子だから。あなたを傷つける人がいたら、師匠の私がちゃんとやっつけかたを教えてあげるから。  だから安心して、まっすぐ恋愛、してみたら」 「へぇ、心強い。じゃあ私が大和君に本気で告白してもいいんですね?」 「いいよ。どーぞ」 「レンさん?それは複雑なんすけど」 「だって大和くんは私のことが大好きでしょ?」  そう言ってイタズラそうに笑うレンさん。  この人……  時々とんでもなく、小悪魔なんだよな……  めちゃくちゃ抱きたい。 「……は〜冷めた冷めた。もう大和君はいいや。じゃあ師匠、また媚薬作ってくださいね」 「二回目からはお金取る」 「ケチ!」 「そういえば、皆早く戻った方がいいんじゃないですか?表彰式とかあるんじゃない?」 「あ!まずい!急げ急げ!レンさん、ロープ解いてくれますか?」 「はい!……どうぞ。先生、もう大丈夫ですか?エクスカリバー」 「あ……はい、だいぶ……」 「私より先に飲んでましたもんね。落ち着いてよかったです」 「なに。なんの話?まさかレンさんも……」  媚薬飲んだの?そう言いかけた時、レンさんに口を手でガッチリ塞がれた。   「真島先生、私、ちょっとだけ大和くんにお話があるので、すぐ行かせますので、青木さんと先に行っててくれますか?」 「わかりました。青木、行くぞ」  妙に晴れ晴れした顔の青木を真島が促して、倉庫の外へ出る。  2人の姿が見えなくなったその時、レンさんは俺をマットの上に押し倒した。
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