第36話 バラパーティー①

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「……師匠。これはグングニル案件では?」 「青木さん、冷静に」 「レンさんすみません、気にしないで。リナ、もう行けよ」 「こんにちは!先日はどうも。少しお話しません?大和の恥ずかしいアレコレ、聞きたくないですか?」 「おいやめろ」 「初めてのデートでキスしたときの、フフッ、あれとか」 「師匠、これはラグナロク案件では?」 「青木さん、冷静に」  レンさんが、道端でコンニャクふんじゃった!みたいな、なんともいえない顔になっている。  青木は般若の顔になっている。美少女設定どこいった。 「ね?聞きたくないですか?大和の話」 「じゃあ一つ聞いていい?なんであなたと大和くんは別れたの?」  レンさんがぶち込んだ質問に、リナは心底楽しそうな顔をする。 「実は私、別れたつもりなんてないんです。大和に呼ばれたらいつでも私、会いにくるし」 「何言ってんだよ。ハッキリ別れただろ、あの時」 「えー?でも私、大和のことが今でも一番好きだよ。割れやすい物を扱うみたいに、大切に触って抱きしめてくれる、優しいところ。大好き」  持っている料理をブン投げてきそうな青木を横目に、俺はリナの腕をひっつかみ、無理やり立たせた。 「きゃ!大和、強引」 「レンさんごめん。ちょっとコイツ、置いてくる」  楽しそうなリナを、リョウ君のもとへ引っ張っていく。それに気づいたリョウ君が立ち上がり、ドスの効いた声を出す。   「誰だお前」 「どーでもいいでしょ。それよりこの人、ちゃんと捕まえといてくれない?」  リナの肩を押し出す。フラついたリナを、リョウ君は自分のもとへ引き寄せた。   「ただいま、リョウ君。またね、大和」  リナはリョウ君の首に腕を絡める。 「リナ、もう絡んでこないでね」  「それはどうかなぁ」  リナの目線は俺を通り越して、俺の後ろの、ローズ色のスカートに向かっているようだった。
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