反発中

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今度はなに? 門口が外のパチンコ屋を見て声を上げた。 「今、そこの店に入って行ったの、江島だったよな?」 「え?」 たまたま信号が赤になり、そのパチンコ屋の入り口付近を見ることが出来た。 ずんぐりむっくりの体型に赤ら顔。 ダンプの運転席からも、どこからどう見てもうちの営業のエース(?) 江島さんだと分かってしまった。 「風邪引いて、電話も取れないほど寝込んでる人間には見えないけどな」 さっきまで穏やかだったコリー犬が、ドーベルマンみたいな表情になった。 「やっぱりアイツはうちの担当から外すように所長に言え。ちゃんとした新しいのが決まるまで連絡はお前にするからな」 「は…はい…」 これもノーとは言えなくて、あえなく私の携帯番号を控えられる。 …私、ただの事務員なんですけどね。
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