反発中

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「もしもし?」 電話をとってすぐに、ガチャ! と一方的に切られてしまった。 ツーツー……。 ……なに? 間違い電話? それなら、一言いえばいいのに。 不快な気持ちでスマホを再びテーブルに置いていると、また同じ番号から着信。 一体なんなの? 「もしもし? 何か?!」 お父さんに話しかける位のつもりで声を張って電話を取ると、 「あー……俺だ。光建設の門口。お前って電話取る声、デカイな」 低い声が、私の眠たい眼を完全に覚まさせた。 「か、門口さんっ?? どうしたんですか?」 一体何の用? 休み中でもリース追加とか? 「あー、一回目、飲み屋の女と間違ってかけた」 「はぁ……」 無言で切ったもんね。この人……。 「で、二回目も間違ったんですか?」 「そうじゃなくて」 「…?」 「お前、趣味、日曜大工?」 「はい?!」 なんでそうなるの? 「一回目かけたときに、何か作る音が聞こえたからさ」 「……あー……」 門口が言っているのは、うちのお父さんの金槌の音だろう。 「あれは父が何かやってるんだと思いますけど。何かオーダーメイドとかのお話ですか?」
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