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「普通、そんな約束忘れるか?」
慌てて家に戻ろうとする私を見て、門口がまたバカにした目をする。
「仕方ないでしょ? 元々人様の結婚式なんて乗り気じゃない上に、朝から思わぬ人からの電話があってすっかり頭から吹っ飛んでたんです」
そうだ、いきなり誘ってくるあなたが悪いんだからね、いくらペコが可愛いからって。
「送ってやろーか?」
「え」
聞き間違いかと思った。
振り返って門口の方を見ると、既にペコをだき抱えて、
「家と待ち合わせの場所まで」
まるで紳士のように、後部座席のドアを開けて乗車を促していた。
「な、なにか企んでます? それとも相当の暇人なんですか?」
「どっちも違うわ。人の親切は素直に受けとれ」
時計を見たら、もうお昼。
ヤバい。
友達もう着いてるかも。
「では、お言葉に甘えて!」
性悪? 社長の運転する車へ厚かましくも乗せてもらうことに。
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