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……と、思っていたのに、
「ちょ、何で中まで付いてくるんですか?!」
門口ってば、ファミレスのジョイジョイまで付いてきた。
「お前の友達に謝っておこうと思って」
「は? 何を?」
「俺が散歩に誘ったせいでお前が遅れたから」
「いいです! 悪いと思ってるんならもう付いて来ない……」
「真樹ー、なに? 遅れてきた上に男連れ?」
ハッ!
友達の京子が門口に気づいてしまった。
「ちがっ、この人、ただの……」
「光建設の門口です、はじめまして」
″ただの取引先の社長″
と言おうとしたら、誰も聞いてないのに会社まで名乗っていた。
「え?こんなにお若いのに社長さん?!」
名刺まで差し出して……。
「……あ、えーと、何かお仕事の話が?私、お邪魔ならおいとましますけど?」
京子、完全に引いちゃってる。
「いえ、いつもお世話になってるリース会社の経理の方がドレスを買われると言うので、素敵なお店を紹介して差し上げようと思いまして」
「えっ」
私、経理じゃないし。
そんでもってドレス買うなんて言ってないし。
「もし、良かったらこのままお連れしますが?」
いつもの俺様ぶりを隠して、京子には紳士の仮面を見せてる。
いったい何企んでるの?
面食いの京子が頬を染めて、目を輝かせている。
断るわけないよね。
「え、ええ! 喜んでお願いしますっ」
ほらね。
「てことで、ほら、森山行くぞっ」
「……ぅ」
素敵なお店なんて行きたくない。
だって、私、ゲームキャラのTシャツだよ?
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