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″黙って頷いてればいいから″
そう言われたのを思い出して、きごちないながらも微笑んで大きく頷いた。
「……どちらのお嬢さん? おいくつ?」
金持ちなだけに、金持ちの家の娘としか交際してこなかったんだろう。
門口ママの品定めをするような目が怖い。
「大した家の娘じゃない。真樹は28歳だ」
あんたが言うな。
それに何で私の歳を知っている?
「青のお見合いの現場に現れるということは、ちゃんと先を考えてらっしゃるってこと?」
仕方ないので、それにも大きく頷いた。
「てことで、相手の女には断っておいてよ」
「あ、待ちなさいっ!青っ!」
色々聞かれる前にと思ってか、門口は私の肩を抱いたまま、レストランを立ち去ろうとした。
そこへ、
「遅れて申し訳ありません!」
また一人着物を着た夫人と、私と同じカシュクールのドレスを着た若い女が現れた。
私なんかと桁違いにドレスの似合う細身のスタイル、そして、茹で玉子を剥いたようなプリンとした肌。
何より、美人ーーーー
きっとお見合い相手だ。
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