208人が本棚に入れています
本棚に追加
こんな若くて美人なお見合い相手を、写真見て断ったって?
門口の女の趣味って変わってるの?
スレ違いざま、その女性に目をやることもなく、門口は私の肩を抱いたままホテルを後にした。
「大丈夫なんですか? あんな両家の顔にドロを塗るようなことして」
さっきの門口ママの怖いくらいの視線が忘れられない。
「強引に日取りまで決めたあのババァが悪いんだ」
さきほどよりも更に悪態がパワーアップした親。
(男の人ってみんなこうなのだろうか?)
「悪かったな」
「……あー、いえ」
まだドレス分も仕事してない気するけど。
「まだ寒いのに、いつまでもそんな格好させて」
「え? 」
突如、門口が自分の着ていた上着を私に羽織わせた。
急に優しくされるとどうしていいか分からない。
「あ、あのっ」
ドキマギしてるのを悟られないように、会話の糸口を探す。
「なんで、私の年齢まで知ってるんですか?
誰かに聞いたんですか?」
そもそも、偽装彼女になんで私を選んだの?
あなたなら、よりどりみどりでしょ?
最初のコメントを投稿しよう!