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年末に毎年行われる同窓会。
今期は天才結城がわざわざシリコンバレーから帰ってきて参加するとかで、出席してる女子達の服装とメイクがいつもにましてゴージャスな気がする。
「相変わらず、結城は女子にモテモテだな」
秀才藤島の背後について天才結城のとこに行こうとしたら、なぜか涼子の前で止まった。
「ですね」
勤務先が同じで同期なのもあり、会ったら話す仲らしい。
おとついの同期のメンツと新橋の居酒屋で忘年会をした時に話したと秀才藤島が言っていた。
「結城くんが2人を探してましたよ」
天才結城を中心にしてできた人だかりを涼子が指差す。
「そっ、……あの中に入って行きたくないけど結城のご機嫌損ねたら面倒臭いし、冨田行こうか」
涼子は俺に一言も声をかけない。
俺の存在に気づいたらすぐにそっぽを向いた。
同窓会が終わった後、俺の家に天才秀才の2人がきた。
使ってないノートパソコンを起動させ、人気Vチューバーの画像と声を無断使用して仮想彼女AIアプリをふざけて作成する。
「明けましておめでとうございます」
スムーズに言葉のキャッチボールができるAIに天才結城が近い将来、リアルドラえ⚪︎んを開発する気がした。
人気Vチューバーのマリンと架空恋愛を楽しんでいる天才結城。
シリコンバレーで充実した日々を送っているようで、羨ましかった。
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