毎年恒例苦痛な新年行事

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颯人の御両親と私の両親が並んで参拝し、次に私の兄夫婦、颯人、私がする。 トミタとアイリンの次期社長候補が元旦の朝イチにトミタ本社内の神社に参拝する。 元旦の午前中。 新年早々の挨拶回りが行われる。 トミタ社内にある神社だからか、トミタの幹部役員や地元にある関連会社の社長や幹部役員も参拝に駆けつける。 パフォーマンス 午前8時から午後2時まで滞在する。 振袖の着付けで午前5時起きのため、睡眠が足りてなく疲弊感が半端ない。 午後3時。 老舗旅館で両家の新年会が行われる。 「涼子さん、颯人さんと結婚の話、進んでないの?」 食事の前に別室で着付け師さんに振り袖を脱ぐサポートをして貰って出る時に兄、淳志の奥さんの舞香さんが入ってきて聞かれた。 「時期早々ですよ。入社して1年経ってませんし」 兄の奥さんと折りが合わない。 財閥令嬢で結婚が全て的な考え方を持つ舞香さん。 兄とはお見合い結婚で恋愛感情はない。 企業の安定や継承を図る上で政略結婚は重要な役割を果たす。 優秀な経営者の血統を受け継ぐことで、企業の将来性を高める。 「結婚するまで東京にいるのよね?」 「そのつもりです」 次期社長候補の奥さんで、語学が得意な舞香さんはアイリンで海外営業の仕事をしている。 舞香さんは結婚までの繋ぎで私がアイリンの広報の仕事をする事をよく思っていないようだった。 仕事が絡むからか家族関係がギスギスしていて、嫌になる。
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