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婚約破棄へのカウントダウン
“颯人の事で伝えたい事がある。19時に銀座のルパンに来てくれる?個室予約入れた”
多忙極まりない秀才藤島くんから、店のGoogloマップ地図付きでLINEが届いた。
仕事中だったから了解のLINEスタンプを送る。
「お疲れ様!!」
「お疲れ……」
木曜日の仕事上がり。
業務時間外の接待や広告制作の構想で休む暇ない藤島くんとイタリアレストランの個室で落ち合う。
予約時にオーダーしていたのか、私好みの料理とワインがタイミングよく次々と運ばれる。
「水原の耳に入れるか悩んだが、知っていて伝えないのは罪だと思うから伝える」
コース料理だから話を切り出すタイミングが掴めず、秀才藤島は店の選択を誤った表情を浮かべていた。
「冨田、水谷と婚約破棄して結城と同じ天才といわれてる坂野彩子って子と付き合う事を検討してる。トミタ社内でもそういう噂が流れてた」
トミタのネット広告を任されるようになった藤島くん。
新車のネット広告作成で何度かトミタ本社に足を運んでる。
「坂野綾子、3歳年下の高専卒だがロボコンで斬新な作品を発明して優勝し続けた。作品全て見たがレベル高いよ」
家柄より実力ある子と婚姻結んだ方がトミタでのし上がるのにメリット高い。
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