プロローグ

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親同士が仲良しで、颯人とは赤ちゃんの頃から付き合いがある。 いつも側にいるのが当たり前で好きというより家族的な感情が強い。 颯人はトミタ、私は自動車部品メーカーのアイリンの創業者家系で、政略結婚ではないけど、両親の立ち会いの元、中学2年の時に婚約。 天才結城はシリコンバレーのスタンフォード大学、秀才藤島は京都大学の工学部に進学。 颯人は名古屋大学経済学部とトミタ工業大学のダブルスクール。 私は東京に行きたくて青山学院大学の経営学部に進学。 大学生になってからやっと颯人と恋人らしい関係になり、毎週末地元に戻り、颯人と愛を育んだ。 「颯人、私達、いつ結婚するの?」 双方の両親も私が大学院修士課程卒業後愛知に戻ってきたら結婚すると思っていた。 なのに、 「ドラえ⚪︎んみたいなAIロボットを開発して製品化させてからかな」 未来の発明家トリオは高校卒業後も繋がっていていまだにリアルドラえ⚪︎ん開発を企てていた。 「結婚するまで、自由にさせて貰います」 「りょ、涼子、それ、どういう意味!?」 「東京で就職して、颯人以外の男と付き合う。それぐらいの自由あっていいよね。颯人も本気にならないなら私以外の女として遊んでいいから!!」 大学4年のクリスマスイブ。 私は束の間の独身生活をエンジョイする事に決めた。 大学卒業後も愛知に戻らず東京に残り、モデルの仕事をしながら広告代理店電道の受付の職につく。 颯人との結婚は白紙には戻せないけど、颯人以外の男性を好きになり少しの間だけでも愛されてみたかった。
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