婚約破棄へのカウントダウン

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「……無理。友人の元カノと付き合うって俺、無理だから」 生まれた時から颯人以外の男と付き合う事を考えられないよう両親から洗脳され、颯人以外の男は眼中になかった。 秀才藤島は未来の発明家トリオのストッパー役。 とんでもない発明をする天才結城に振り回される凡人颯人。 安全上と世界平和のために手を出したらいけない流域がある。 秀才藤島のおかげで、颯人は生存してる。 秀才藤島は面倒見がいい。 優しくされ、秀才藤島に惹かれていく。 小中高の9年間、颯人の世話係兼慰め係だった私に同情しているんだと思う。 だけど、颯人の親友を好きになれない。 颯人と秀才藤島の関係を壊したくないから。 創業者一族の家同士の結びつきを強くするための婚姻。 大企業は創業者一族に権限はもはやない。 持ち株の割合から経営に口出しはできない。 その中での生き残りで協力会社と婚姻で結びつきを強めようとする。 だけど、そんな絆より大発明を起こした方がいい。 カリスマ的存在になり、確実に代表取締役会長に登り詰める。 天才結城の偉業を側でみていたのもあり、可能だと思った。 アイリンも創業者一族の持ち株数が1%切っていて、父は代表取締役社長を勤めているが兄の代は経営から退く気がする。 トミタから有能な人材がきて幹部役員をしていて、父と兄は立場が危うい。 「颯人のためにも私は結婚するべきではない」 円満に颯人と婚約破棄する日を待ち望むようになった。 だけど、その日までは他の男と付き合う気にはなれなかった。
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