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最愛の婚約者、水谷涼子。
いつも俺の側に居てこんな俺を励まし支えてくれる愛しい人。
国内最大手車部品製造会社アイリンの創業者一族の長男の御令嬢の涼子と世界第1位の自動車メーカートミタの創業一族現会長の孫の俺。
大企業は世襲で跡を継ぐ事はできない。
カリスマと経営者としての能力がないと執行社員にもなれない。
お互いが創業者一族の地位を保つための絆となるために親同士が計画的に婚約に持ち込んだ。
俺は涼子の事を愛している。
情けない男を卒業し、涼子が自慢できる男に俺はなりたい。
高校卒業後、名古屋大学の経済学部とトミタ工業大学をダブルスクールしがむしゃらに勉強をするも、天才秀才な友人と自分を比べてしまい、凡人の俺は何も成せる事ができないと卑屈になり、こんな俺がトミタの代表取締役会長の地位まで登りつめる事ができるのかと苦悩した。
「颯人、私達、いつ結婚するの?」
大学院修士課程卒業後、両親達は俺と涼子の結婚を考えていた。
「ドラえ⚪︎んみたいなAIロボットを開発して製品化させてからかな」
シリコンバレーに行った天才結城とは全く連絡を取り合ってない。
卒業後にAIロボットの開発をする約束を取り付けてなどない。
秀才藤島とは年に数回連絡を取り合い、盆と正月に会っている。
兄が実家家業を継いでるのもあり関係が壊れる事を懸念し、秀才藤島はAIロボット開発エンジニアの職にはつかないと言っていた。
ドラえ⚪︎ん開発をする予定もないのに結婚を遅らせる口実にしてしまった。
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