凡人御曹司の苦悩[回想] side 冨田颯人

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物心がついた頃から俺の側にいて俺を支えてくれてた涼子。 「結婚するまで、自由にさせて貰います」 「りょ、涼子、それ、どういう意味!?」 東京の大学に進学しても、週末は必ず戻ってきてくれた涼子。 一人暮らしを始めた俺の家にきて俺に寄り添ってくれていた。 「東京で就職して、颯人以外の男と付き合う。それぐらいの自由あっていいよね。颯人も本気にならないなら私以外の女として遊んでいいから!!」 大学4年のクリスマスイブ。 未来の奥さんに三下り半を突き付けられてしまった。 婚約解消されなかった事に対してはほっとしたものの、涼子と契約結婚の冷めた仮面夫婦にはなりたくなく、関係修復をするにはどうすればと頭を抱える。 ぶちギレて東京に帰って行った涼子を追う事もせず、ただ呆然と立ち竦んでいた。
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