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(なんで、大天使は私のサポートに男性を選んだのだろうか?)
男性天使は、余裕の笑みを見せる。
「俺ら天使からしたら、キューピッドをするのはゲームみたいなものだ。」
この男性は、キューピッドに手慣れているようだった。
「あのなんて呼んだらいいですか?」と私は尋ねる。
「あー、俺、本当の名前忘れたんだよな……」
やっぱり、同じなんだ。
「私も……名前を忘れた」
「記憶は失ってないはずさ、俺らは思いだせなくなるだけなんだ」
そう聞いて、私は明るい表情で聞いた。
「じゃあ、記憶を思いだすことも可能なの!?」
「全てを思いだすのは難しいかもな。でも、感情には残っているだろ。記憶が。」
「感情……」と私はつぶやいた。
この男性天使、見た目はチャラいけど、さっきも手を引いてエスコートしてくれたし、言っていることがかっこよかった。
空を飛んでいるうちに、着いたのは学校。
しかも、私が通っていた中学校だった。
グラウンドに降り立つ。
「大天使様がここでしろって……」
「なんで!?だって、ここさ……私が通っていた学校だよ?」
私は、戸惑いが隠せなかった。
「知っている。そう大天使様から聞いた……ここに未練はあるか?」
男性天使は少し悲しい顔をして言った。
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