22人が本棚に入れています
本棚に追加
周囲の景色がぼんやりとしたまま、冷たい感覚に包まれる。
私は何が起こったのか、よくわかっていなかった。
冷たいアスファルトに伏せている。
「まだ……」と私はつぶやく。
私は、そっと目を閉じる。
その瞬間、ふと目の前に柔らかな光が現れた。
まるで誰かが私を見守っているかのよう。
「私は大天使。あなたは天使になれます。どうしますか?」
白く長いローブを着た女性がこちらに話しかけてきた。
派手な装飾はなく、簡素な格好をしている。
(ここどこ?)
周囲は、柔らかい光と白いモヤに包まれていた。
「天使になれるかどうかなんて……どうでもいいです。お婆ちゃんに会いたい……」
私は、そう言った。
「あなたの祖母は、天使になる道を選びました。私の元で使命を果たしています。」
(お婆ちゃんが天使に!?)
「……本当に!?本当の本当に!私のお婆ちゃんは、天使になったの?」
私の問いかけに、大天使は答えた。
「彼女は、言いました。死んでも諦めたらダメだと」
祖母は芯が強い人だと思いだす。
「車に轢かれたのは覚えているけど、その後の記憶が全くないの。やっぱり私は亡くなったんだ……」
最初のコメントを投稿しよう!