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そして告白
斎藤は目を見開き、佐藤の告白に驚いていた。
「えーっと、お前は佐藤だろ。アイツとは名字が違うじゃないか」
「父さんは母さんと離婚したからね。今、僕は母さんと一緒に暮らしているんだよ。母さんの旧姓が佐藤なんだ」
「なんだと!」
「斎藤くん、しーっ」
「ご、ごめん」
「あの白の全身タイツは間違いない。父さんは昔から全く変わらないよ。家族にも全身タイツを勧めるんだ。だから、その頃の僕は…」
「そうか昔からか…。でも、それは間違いないな。佐藤、このことは内緒にしたほうが良いぞ。そうしないと明日からはお前も全生徒の注目を集めることになる!」
「そうだね」
独演会は終わる気配がなかった。しかも自然と生徒たちは伊集院の話に耳を傾け始めていた。なんとも不思議な光景だ。
「俺が身に着けている全身タイツは防水加工。雨の日も安心だ!」
「「おおーっ」」
「お値段以上の品質だ!」
「「おおーっ!」」
「トイレに行くときは全裸になる必要がある!」
「「ふむふむ」」
「俺の夢は全身タイツを学校指定の制服にすることだ!」
「「うおーっ!」」
生徒たちの雄叫びが体育館にこだまする。一部の生徒たちは納得したようにウンウンと頷きながら話を聞いている。すると、伊集院は新たな爆弾を投下する。
「そうそう、みんなに知らせなければならない重要なことがある。実はこの学校に俺の息子がいる!」
「「え〜っ!」」
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