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────…すり、と撫でた少女の内腿の付け根にのこる、
"他の男"の口がついた、鬱血痕。
「…嗚呼、憎らしいな」
ぽそり、吐かれた毒は、ダレの耳にとどく事もなく車内の空気にもみ消される。
忌々しく尖らせた瞳孔を、その、紅いアトに這わせ、それでも
闇の双眼に滲む嫉妬の炎はこれ以上、燃やすでもなく。
固く、目蓋を閉じることで、陰鬱に溢れ出そうな狂気を、神に愛されたような美貌をもつ男は耐えて仕舞うこととしたのだった────…。
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