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「ちょっと本屋に寄りたいんだけど?」
「またぁ?」
彼女はいつものようにふてくされる。
しかし、俺は本屋が好きなのだ。なんて魅力的な場所なのだろう。
これも読みたい! あれも読みたい!
体中がむずむずしてしまい、トイレに行きたくなってしまう。
俺は数冊の本を購入し、意気揚々と店を出る。
呆れ顔でついてくる彼女。
「もう! 買ったってどうせ、読まないんでしょ? ますます部屋が狭くなるじゃない!」
毎日のように怒られているが、俺は幸せ者だ。
かわいい彼女と同棲し、部屋にはたくさんの未読の本が積んである。
本も好きだし、彼女のことも大好きだ。
その両方を手に入れている俺は、きっと勝ち組なのだろう。
しかし、彼女の方はそうは思っていなかった。
毎日のように、本を片付けろと、目くじらを立てて怒っている。
「こんなにたくさん本を買って、いったいいつ読むのよ!」
「だってさ、平日は仕事で疲れて帰ってくるからさ、なかなか読む時間がとれないんだよ」
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