バトルマン・スーパージャンボ、それは

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それは密かに進行し、10人から100人となり、あっという間に10万人にも広がることになった。そして、いつしか政府の転覆計画にまで発展する。 人が人を殺すという行為は、ある特権階級を除き、死語になるほど絶えて久しかったが、それがこの工場から再発した。文字通り再発したという言葉に等しく、今までなかった高揚感を人に与えた。 そしてこの状況が2年も続くと、地球が二十二世紀後半に起こした第三次世界大戦と等しい状況に落ちいった。 それは、まさに歴史は繰り返すという言い古された言葉通りであった。 そして、これがこの星の未来を変えることになったゲーム機であった。 ただ、そのきっかけとなったのが、これを稼働させることになった一冊の本であったことは誰にも思いが至らなかった。 そのゲーム機とは、もちろん賢治が工場から持ち出したものであったが、その原型は、この星で千年も前に流行した「ゲームマン」であった。 それが500年経って、何十倍にも過激になり、人が人を殺す対戦ゲーム『バトルマン・スーパージャンボ』や美少女育成ゲーム『奈々は俺の命』となって復活を遂げた。 それは瞬く間に流行し、人は狂暴化し、殺し合いによって麻薬のように興奮し、またいつでもいかなる状況においても、男は性欲をむき出しに女性を襲うことになった。
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