きみの味方

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「叶えてほしい願い、きみにはないの?」 「そんなのとりあえず休みが欲しい意外に浮かばないな」 俺はこれから向かわなければいけないバイト先を思い浮かべる。 辞めたいなんて言えるほど、うちのバイト先には人手がない。 むしろ辞めたいと言っても却下されるような店長に嫌気がさして無断欠勤、無断退職をする人が出たくらいだ。その穴埋めに俺が使われる始末。 人件費を削減することに意識が行き過ぎて、バイトの募集をずっとしていないせいでもある。 売り上げが上がればバイトを募集するなんて言っているけれど、あんな店長のもとで働くにはモチベーションがあるはずもなく、売り上げアップにも繋がらない。 仕事が特別できるわけじゃない俺が言うのもなんだけど……。 そもそもバイトをやめて行った人たちは店長と折り合いが悪かった人たちだ。それもあんな暴言の多い店長が相手なら仕方ないかもしれない。俺だってやめたい。 普段から言葉遣いもいいとは言えない人だから。 今のままではバイトを雇えたとしてもすぐにやめていくんじゃないかな。 そしてまたその穴埋めに俺が……。 もう俺もあのバイト辞めたいのに……。 うっかりバイト先のことを考えてしまったばっかりに、胃が痛くなってきた。 あぁいっそこのまま意識を失ってどう頑張ってもバイトに行けないようになれば……体調管理がなっていないと怒られるだけか。
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