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「なんて言うか……きみ苦労してそうだね」
中学生くらいの見た目でどのほど生きているのか分からないが、そんな天使に苦労してそうと言われるくらいには酷い顔をしているのだろう。
自分じゃわからないけれど、最近はちょっと不眠症気味になっているから隈は酷いだろうな。
「今休みがあれば、きみはまた頑張れるの?」
「……むり、自信ない。正直もうあの店潰れないかなくらいには思ってる」
俺は低く小さい声でぼそぼそと呟く。
本当に潰れたら、それはそれで一人暮らしの俺の収入がなくなって困るのだけど。
いや、いっそいいのか?
夏休み後半から休みなしで働いているけれど、今の状況が続けば成績不振で留年ということも考えられる。
それはまずい。非常にまずい。
「うわ……もう俺やっぱむり……」
「うんうん。バイト先が潰れることを望んでるんだね! 聞き届けた! とりあえず今日はもう帰って休みなよ」
「いや、これからバイトだし……」
地面にめり込みそうなくらいに足が重い。
いっそここで蹲ってしまいたい。
けれどそんなことをしようものなら本当に動けなくなりそうだ。
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