きみの味方

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「きみにはぼくが見えたから。人間だけじゃないよ。同じ天使たちも、ぼくを見えないように扱うんだ。変だよね、同じ天使なのに。だからさ、ぼくを見てくれた君の味方でいたいなって思ったんだよ」 天真爛漫なヴェルの言葉と表情。 きっとこいつの邪気のない残酷さを他の天使たちも知っていたのだろう。 それに怯えたかドン引きしたか……。天使たちの中でも上手くやっていけていなかったのだろう。 それとも、自分を不幸にした相手だと認識して仲間にも何か……仕返し……みたいなことをしたのかもしれない。 「そう……か。……でも、俺にはそういうのは必要ないって言うか……」 扱いきれいない。 彼の仲間も考えていただろうことが、俺の頭にも過ぎった。 「なに? きみもぼくを見捨てるの?」 笑顔。 せめて目が笑っていないとか、無表情になるとかだったら、きっと俺は腰を抜かしていたかもしれない。 けれど、無邪気な笑顔のまま言われる不気味さに、身動きを取ることすらできなかった。 相手の感情が分からない。 怒っているのかすら分からないのに、俺は今選択を間違えたと断言できる雰囲気があった。
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