きみの味方

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「……っ」 迂闊にも願い事を言ってしまったせいで、後戻りできない状況になっている。 「きみはそんなことしないよね?」 迷子の子どものようなうるうるとした目、縋るようなその声。 はたから見ればあざとく見えるだろうその仕草から、こんなにも圧を感じる。 「……し、しない、から」 「だよね! ありがとう! 他にも願い事があったらいつでも言ってね。きみがぼくを見てくれる限り、ぼくはきみの味方だからね」 にぱっと笑顔に戻ったというのに、俺の恐怖心は消えなかった。 うっかり願い事を口にすれば、この天使は悪魔のようなことをするのだろう。俺はこの天使から逃れられないことを悟った。
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