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落ちてきた美少女
夏休みに入ると連日連夜、猛暑日が続いた。
深夜になっても茹だるような暑さで参った。気が遠くなりそうだ。
間違いなく今夜も熱帯夜だろう。
真夜中、ボクはバイトからの帰り道、近所の公園の前を通ると夜空から何かが光って落ちてきた。
「えェッ?」
流星か、それとも隕石だろうか。
けれども落下速度の割りに音もなく公園へ落ちたようだ。
「なんだろう。いったい?」
ボクは不思議に思って公園の中へ入って確かめた。昔、良く遊んだブランコやウンテイがあった。
思ったより小さく感じたが、それだけボクが大きくなった所為だろう。
妙に懐かしい気分だ。
そのとき不意に少女の泣き声が聞こえた。
まさか今の隕石が当たったのだろうか。
「ン?」
気になって、その声に耳を傾けてみた。
「イッ、痛ッてェ」
少女はどこかケガをしているのだろうか。
ボクは彼女の声を頼りにさらに公園の奥へと入った。
目を凝らして覗いてみると中学生くらいの美少女を見つけた。
「痛ッたた」
美少女が座り込んで痛がっているようだ。
驚くことに天使みたいな恰好をしていた。
「あのォどうかしましたか?」
まさか、さっきの隕石に当たってケガをしたのだろうか。
気になったのでボクはその子に声を掛けた。
「うッうゥン、助けてよォ」
どうやら天使が助けを求めているようだ。
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