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翼の折れた天使
どうやら天使が助けを求めているようだ。
金髪のツインテールがよく似合っている。この世のモノとは思えないほど可愛らしい。
しかも童顔なのにもの凄く巨乳だ。
思ったより年齢がいっているのだろうか。
彼女の胸元を見た瞬間、一気に心臓が高鳴った。
「あ、あのォ、大丈夫ですか?」
緊張で声が掠れた。
すぐさまボクはその美少女を助けようと手を差しのべた。
「大丈夫じゃねえェよ。見てわかんねえェのかよ」
美少女は不満げに頬を膨らませた。
可愛らしい顔をしてかなりガラが悪いようだ。
「はァ?」間近で見ると背中に翼がついていた。
漫画か、アニメに出てくる天使のコスプレでもしているのだろうか。
このときボクはまだ美少女の事を本物の天使ではなくて、ただのコスプレイヤーだと思っていた。
「落っこちたら翼が折れちゃったんだよ」
その美少女はしきりに背中の翼を気にしていた。
「ふぅん、翼が?」
確かに無惨にも片方の左の翼が折れていた。
「ンううゥ」
おそらく彼女は天使の恰好をしたコスプレイヤーなのだろう。
ボクがそっと左の翼を触ってみると、ポキッと根元から翼が取れてしまった。
「あッ!」ヤバい。根元から折れてしまった。
「痛ッてェッ。マジかよ。坊ヤ。天使の翼を折りやがって」
途端に美少女はボクを睨みつけクレームをつけてきた。
「いえいえ、そのォ、わざと折ったわけじゃありませんよ。ボクがちょっと触ったらポキッて根元から折れちゃって」
慌ててボクは苦しい言い訳をした。
けれども信じてほしい。
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