アナタの一冊、ワタシの一冊。

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でも大丈夫! 俺には友達がいる! てことで翌日の昼休み、今度は友達に訊いてみた。 「運命の一冊〜〜?え、誰にも言わない??」 参考人④、友達の山川。 山川はモジモジしながら俺に確認してきた。大丈夫、言わない言わない。その代わり良いネタだったら、エブリスタの運営さんが読むけど。 「言わない、大丈夫!」 「えー…俺の運命の一冊は……まじで引くなよ!?…『ミラクル魔法少女★メロディララ』の原作小説かな。」 まさかの幼女向けアニメ(日曜の朝放送)の原作小説。あれに原作小説があったのを初めて知った。友達の思わぬ一面を知ってしまって反応に困る俺。山川は真っ赤になりながら、俺の肩をガッチリ握った。やめて山川、自分が魔法少女じゃなくて、ガチムチ柔道部であることを思い出して。俺の肩潰さないで。 「お前今バカにしただろ!?メロディララなめんなよ!!?小さい妹がいるから一緒にアニメも見てるんだけど、台詞が深いんだよっ…!!いつでも前向きポジティブなメロディララの台詞に俺もハッとさせられるんだよ!!」 「う、うん…、今度見てみる…。」 「絶対見ろ、そんで感想きかせて。ハマったら原作小説貸してやるから。」 お前んちには、小さな妹がいるから見てても何も言われないだろうけど、一人っ子16歳の俺がそれを早朝から見てたら、親がビビらない?大丈夫? 「運命の一冊?グラドルの写真集とか?男として目覚めた本が、やっぱ運命の一冊じゃね?」 参考人⑤、友達の海野。 論外、終了。
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