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急に温度の下がった瞳に見つめられ、ひゅ、と締まる喉。 こんな子供じみた発言も柊様が言うと強制力を感じる。彼の言う「許さない」が、本当に精神的にも社会的にも効力を持ちそうで、背筋がひやりとした。 「あ、あり得ません!大丈夫です!私はずっと柊様のお側に侍ります!」 縋るように見つめ返せば、柊様は表情を明るくして「だよね?モモが僕を裏切るなんてあり得ないよね?」と破顔する。 裏切る、という存外重い言葉に神妙な顔で頷けば、よしよしと頭を撫でられた。 「可愛いモモが僕を嫌いになるはずがないよ。時生は何も分かってないんだから」 柊様は時生さんに向かってべえっと舌を出すと、私達のやりとりを見て溜息をついた時生さんが「申し訳ありません。思い違いでした」と感情の一切ない声で無意味な謝罪を口にする。 「モモはずーっと僕と一緒だもんね?」 「はい、一緒ですっ」 「いい子だね、モモ」 望んでいた肯定の言葉に満足した柊様は、やっと絡まる指を離し「後でね」と手を振った。 残りのお世話は時生さんに任せて、退出の許しを得た私はそそくさと自室に戻り自分の用意に取り掛かる。全身鏡に映る私は既にやつれていて、制服を着終えても浮かない顔のまま。 —私が柊様に持つ感情は複雑だ。
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