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再び事件は起こった。
今度は違うイベントのグッズ売り場でのことだ。
再び私が目にしたのは、何の因果かまた最後の一個になったもふろうのぬいぐるみだった。
私が手を伸ばそうとした瞬間、隣からも手が伸びてきた。
顔を上げると、目が合った。
「あ」
「あ」
お互いに声を上げる。
「転売ヤーの人……!」
「え?」
私が言うと、サラリーマンらしき男性は首を傾げた。
「だって、この前私のもふろうを掠め取って……」
忘れもしないその顔だ。まさか今回も来ていたとは。
「さては、プロの転売ヤーだな」
私がぎろりと睨みつけると男性は、
「僕が転売ヤー?」
再び首を傾げた。
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