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「ご、ごめんなさいっ!」
「いえいえいえ、わかっていただければいいんです」
転売ヤーだと思っていたのは私の勘違いだった。
私は全力で頭を下げる。
彼は転売ヤーなんかじゃなかった。
むしろ、
「まさか、本当にもふろうの大ファンだったなんて。仲間じゃないですか。そんな人に向かって私はなんてことを……」
「そんな、顔を上げてください」
彼が見せてくれたスマホの画面には部屋いっぱいのもふろうグッズが並んでいた。私の部屋にあるものもあるけれど、私ですら手に入れられなかったものもある。
「大体、男でもふろろうが大好きだなんて言うと馬鹿にされちゃうんですけどね」
あはは、と彼が笑う。
私は顔を上げた。
「そんなことないです。もふろうは誰が好きになったっていいんですっ! 可愛いもの好きに性別なんか関係ありませんっ!」
「あ、は、はぁ」
彼がちょっと引いている気がする。
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