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2024/10/13
気付いたら俺は薄暗い牢屋にいた。
いつの間にか頑丈な枷で拘束された両手足。
そして──
いつの間にか着せ替えられたメルヘンチックな女性物の可愛いドレス。
牢の見張りを手慣れた速さで倒した後、
俺を助けに来たおっちゃんが、俺の服装を一瞥して問いかけてくる。
『何があった?』
問題はそこじゃない。
どうしてこうなったか、だ。
すると、
どこからかヒールで床を踏み鳴らす音が聞こえてくる。
コツリ、コツリと……。
俺とおっちゃんはその音のする方へと目を向けた。
ふわりと長い赤髪をツインテールに束ね、黒いドレスに身を包んだ少女が一人、こちらに向かってゆっくりと歩いてくる。
その腕に大事そうにクマのぬいぐるみを抱いて。
少女は俺たちを見て薄っすらと笑みを浮かべると、凍てつくような声音で言葉を紡いだ。
「ハッピーハロウィンですわ……」
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