男の幸せ

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男の幸せ

僕がその本に出会ったのはまさに運命だと言えます。 今までなにもかもうまく行かなかった僕の人生が一気に花開き、未来を明るいものにしてくれたんですから。 ……え? 本当に今でもそう思っているのかって? 当たり前でしょう。 あなたは今までの僕を知らないからそんな風にさげすんだ目をできるんです。 僕のことをなにも知らないあなたに、まずは僕のことを教えてあげましょう。 僕が産まれたのはとある小さな町でした。 父親は町工場で働いていて、母親は町唯一のスーパーでパート社員をしていました。 町の中ではごくごく平凡で、特に珍しい家庭ではありません。
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