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デイジーさんの言葉に心臓がドクンッと大きく跳ねた。天使には何もかもお見通しということか。私は布団を握り締める。
「……そうだね。嘘を吐いたよ。本当はみんなのことが大事で、そばにいてほしかったよ」
草太と別れたくなんてなかった。お母さんや太陽を傷付けたくなかった。ほのかや夏妃とずっと友達でいたかった。でも怖かったんだ。
「中学生なってすぐくらいの頃にね、おばあちゃんが乳がんだってわかったの。もう発見された時には治療の施し用がなくって……。私たち、毎日のようにおばあちゃんのお土産に行ったんだ」
おばあちゃんは日に日に弱っていった。でも最期まで笑ってくれた。優しい言葉をかけてくれた。……だから、おばあちゃんが天国へ旅立ってしまった時は悲しくてたまらなかった。涙がどれだけ泣いても止まらなかった。
みんなにあんな悲しい思いをしてほしくなかった。私を大嫌いになればいいんじゃないかと思って、みんなを傷付けた。
「……私のしたこと、間違ってるかな」
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