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そう言うなり急に先生は、「百年の孤独」本体のほうの貸出を済ませてしまった。
「ああっ、ちょ、待ってください」
「何ですか?」
「それを借りちゃうと、貸出数の上限が……」
「ああ、そうか。それは失礼。この予約本のうち、どれを取り消しましょうか?」
「えっ……」
私は前に並べられた五冊の予約本をじっと見つめた。
「「百年の孤独」を代わりに読む」
「波くんと海くんの事情①」
「波くんと海くんの事情②」
「波くんと海くんの事情③」
「柏井凪短編集〜真実は執事の腕の中で〜」
どうしよう……。
ごくりとつばを飲み込む。
いや、そもそも「百年の孤独」本体の貸出を取り消してくれればいいんだけれども。でも今の感じだとちょっと言いづらい。
うーん。
予約した五冊のうち、どれかを取り消さないといけないとしたら。
まず、今回の最大のお楽しみは柏井凪先生の短編集なのだ。だからこれは外せない。
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